私の親友。
大学に入って最初にできた友達。
私が辛かった時いつも会いに来てくれて、会えない時は何時間でも電話をしてくれた。
彼女が一番辛かった時、私は何かしてあげられていただろうか、と思い返す。
彼女が死のうとしたあの日、私は電話に出られなかった。
人が死ななくて本当に良かったって思ったのはあの時が初めてだった。
これまで人が死にたいと思うことはまあ仕方がないことだと冷静に考えていたから。
私たちは本当にどうしようもないバカだ。
男に振られたらすぐに死にたくなる。
あの子の口ぐせは「幸せになりたいだけなの」。
それでも私には、心の奥底にある彼女の苦しみや生きづらさがよく分かる。気がしている。
死にかけた彼女に再会した日、私は彼女にこう言った。
「もしあなたが死んだら、私は親友を亡くした悲劇のヒロインになって○○(当時好きだった男の名前)に泣きながら電話をするから。そして慰めてもらう。」
彼女は笑っていた。
まだ細くて青白い腕を握り締めながら、「死ねなかったわ!最新の医療ナメてた!」と大笑いしていた。
私が苦しい時、辛い時、死んでしまいたい時、涙が止まらない時、彼女はいつでも話を聞いてくれた。
同調したりせず、励ましもせず、否定もせず、ただ時折ブラックジョークを交えながら、何でもない話を延々としてくれる。
他の誰ともできない下品な会話、二人にしか分からないモノマネ、そういうもので少しずつ私たちは命を繋いできた。
そんな彼女が今、社会に出て上司や同期や後輩や、嫌なこと大変なこといろんなことに翻弄されながら、まっすぐに生きるようになった。
ずっと心配になるくらいフラフラしていた彼女が目標に向かって強く立っている姿は、とってもとってもカッコよくて、でも少し寂しかった。
私の大切な悪友、Lちゃん。
仕事も恋愛も人生も何もかも、辛くなるまで頑張らなくてもいいから、ただ私より長生きしていてほしい。
いつか私が死んだ日には、大笑いして最新の医療をバカにしてほしい。