日記

毎日の喜怒哀楽と将来、恋愛。面と向かって言えないこと。

思い出

刺激的な毎日だと楽しい。

ジェットコースターが好きだ。

死ぬかもしれないようなドキドキを感じる時にこそ、「あー私生きてるなあー」って実感する。

 


中でも失恋した時の苦しさと、笑いながら死にたいと思える自分のアホさに遭遇する瞬間が、一番苦しくて一番楽しい。

 


つらくなかった思い出なんてない。

楽しかった記憶も、思い返せばみんな私を苦しくさせる。

 


人の心はお金では買えないし、どんな技術を駆使しても奪えない。

もしもあの時こうしていたらどうなっていただろうか、出会うのがもう少し早ければ良かったのだろうか、欲を出さずにあのままの関係で満足していれば今も彼は隣にいただろうか。

 


破れた恋への後悔や妄想は止まない。

 


たった一度の人生で、「あの人を超える人はいない」と思える人に出会えたら、それがどんな結末でも素晴らしいことだと思う。

 


もう何年も経っても、彼のことを思うと涙が止まらなくなる。

他の人との恋愛は、彼を諦めたからできるのではなくて、忘れるために必死で目を背けた結果なんだと思う。

 


彼のことを考えれば、きっと私は何百日でも引きこもって朝も夕もなく泣いているだろうし、詩を書けば壁紙は天井まで埋まるだろうし、もう一度会えるのなら、もう一度彼と出会う前からやり直せるのなら、私は命なんて簡単に投げ出せるだろう。

 


だけどどこかで分かっている。彼と私はもう会うことはないだろうということ。

それではあまりに悲しすぎるから、命を保っていられなくなってしまうから、私は彼と離れても生きていかなくてはいけないから、もう考えることをやめたい。

 


一体いつまで私の中にいるつもりだろう。

とっくの昔に忘れたはずなのに、日常のふとした瞬間に現れて私を悲しくさせる。

もう、お願いだから消えてほしい。跡形もなくいなくなってほしい。

 


たぶん私は、彼といる時の私が好きだった。何をしても何をされても、幸せと思えたから。

彼といて私は、私自身の知らない面をたくさん知った。

苦しくて仕方なかった。

彼の声が好きだった。少し猫背でご飯を食べるところが好きだった。優しさと意地悪さが混在した私への態度も、物事を深刻に捉えてすぐに落ち込むところも、少しのダサさと丁寧さとその匂いも好きだった。

 


彼は私を頼りにしていなかった。悩み事をいつも違う女の子にした。嫉妬したけど、したところでどうしようもなかった。私はきっと彼にとっては違うんだなって思うしかなかった。

 


初めてふたりで寝た日、彼は彼のお母さんの話をした。寂しいと言った。私は彼の母親になってあげたくて、彼を見つめながら抱かれたけれど、彼は私なんか見ていなかった。

 


彼は私のことなんて、きっとなんとも思っていない。

それでも私は彼が大好きで、忘れられなくて、そんな私に彼はいつも上辺だけの優しさで応えてくれる。

 


優しい声で「おいで」と言う。子どもみたいに「寂しい」と言って私を抱きしめる。彼の匂いが大好きだった。私のことなんかこれっぽっちも考えていないようなキスを数回してくれた。

ずっとずっと命を懸けれるほどに愛した彼と、一度寝て分かったことは、彼が私をまったく愛していないということだった。

どんな言葉で否定され傷付けられるよりも、肌を交わすことによってそれが分かってしまったことが、何よりも悲しかった。

 


彼との思い出はすべて幸せだった。彼が私を愛していなくても、愛する彼と一緒にいるだけで幸せだった。

何年経っても思い出して泣くほど、私は彼のぜんぶが愛おしくて、私だけのものにしたくて、できることなら彼のたった一人になりたかった。彼の視界に映りたかった。彼のことでもう泣かなくていいように、いつもそばにいてほしかった。他の何もかもなくなっても、彼だけは生きていてほしいと思った。

 


彼は今でもたまに私の夢に出てきて私を苦しくさせてどこかに消える。